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現場の本音7分で読める公開: 2026-04-27

「採択率99%」を謳うコンサルの数字の作り方──業界で使われる5つの計算トリック

採択率99%。本当だろうか。物理的に不可能とは言わない。ただし、その数字には業界で使われる「計算の幅」がある。現役コンサルが、表に出ない数字の作り方5パターンを解説。

この記事のポイント

採択率99%。本当だろうか。物理的に不可能とは言わない。ただし、その数字には業界で使われる「計算の幅」がある。現役コンサルが、表に出ない数字の作り方5パターンを解説。

採択率の数字の読み方
採択率99%のカラクリ

「採択率99%」のサイトを見たことがあるか

補助金コンサルのサイトを巡っていると、こういう数字をよく見る。

  • 「採択率98%」
  • 「採択実績100社、99%採択」
  • 「過去3年連続100%採択」

数字だけを見ると圧倒的に魅力的。「ここに頼めば通る」と思えてしまう。

ただ、物理的に不可能ではないが、実態と乖離した数字の作り方が業界には複数存在する。違法ではないし、事業者を騙しているとも言い切れない。ただ、その数字を額面通り信じると、コンサル選びを誤る可能性がある。

ここでは、現場で見てきた採択率99%表記の作り方5パターンを、本音で解説する。


トリック1:採択前提の案件しか受けない

最も多い。そもそも、採択が見込めない案件は契約段階で断る

「3期連続赤字なので難しいですね」

「事業の独自性が弱いので、別の方向で…」

「申請期間がタイトすぎるので、次回に回しましょう」

こうやって契約フェーズで案件を選別することで、引き受ける案件はすべて「通る確度が高い」ものに絞られる。

結果として「採択率99%」は実現する。ただしそれは、コンサルの実力ではなく案件選別の結果

見抜くポイント

契約前のヒアリングで、こう聞いてみる:

  • 「これまで採択できなかった案件はどんな案件ですか?」
  • 「うちの案件、難易度はどう見ていますか?」

具体的に答えられないコンサルは、選別後の数字しか持っていない可能性。


トリック2:「申請した案件」を母数にしている

採択率の計算式は2つある。

計算A:申請数を母数にする

採択数 ÷ 申請数 = 採択率

計算B:相談数を母数にする

採択数 ÷ 相談数 = 採択率

計算Aの方が圧倒的に高い数字になる。なぜなら、相談から申請に進む段階で、コンサルが「これは通らない」と判断した案件を脱落させているから。

業界の慣習として、「採択率」は計算Aを使う。「相談100件、申請50件、採択45件」のコンサルは、「採択率90%(45/50)」と表記する。

事業者が実感する確率は計算B

「相談したら、ほとんど採択された」という体感を持つには相談ベースで計算すべき。45/100 = 45%。これが事業者から見たリアルな確率。

見抜くポイント

  • 「相談から申請まで進んだ割合は?」
  • 「申請を勧められなかった案件はどんな案件?」

トリック3:複数回申請の合算で計算

採択されるまで何度でも再申請するスタイルのコンサル。

例:1社が3回申請してやっと採択された場合

  • 申請数:3
  • 採択数:1
  • 採択率:33%

これは普通の計算。

ただし、一部のコンサルは「最終的に採択された会社の割合」を採択率として使う。

例:10社支援、最終的に8社が採択(再申請を合わせて)

  • 採択率:80%

数字としてはこちらも嘘ではない。ただし、事業者が払うコストは1回目で通った場合の3倍以上。再申請ごとに着手金が発生するコンサルだと、トータル費用が膨らむ。

見抜くポイント

  • 「初回採択率はどれくらい?」(再申請を含まない数字)
  • 「再申請する場合の着手金はどうなる?」

トリック4:採択しやすい補助金に集中している

補助金の採択率は制度によって大きく違う。

制度採択率の目安
小規模事業者持続化補助金50〜60%
ものづくり補助金(一般型)30〜50%
事業再構築補助金(旧)30〜40%
成長加速化補助金10〜20%
自治体補助金(小規模)60〜80%

つまり、自治体の小規模補助金や持続化補助金中心に扱うコンサルは、自然と採択率が高くなる。

これも実力というより制度選定の偏り

見抜くポイント

  • 「主に扱っている補助金制度は?」
  • 「事業再構築や成長加速化のような大型補助金の経験は?」
  • 大型補助金で勝てるかが、コンサルの本当の実力

トリック5:採択後の脱落・取下げをカウントしない

意外と知られていない。

「採択された」と「補助金を受け取った」は違う。

  • 採択
  • 交付決定
  • 事業実施
  • 実績報告
  • 着金

このうち、採択後に交付決定を取らずに辞退する会社、事業実施で躓いて補助金を受け取れない会社が一定数いる。

「採択率99%」の数字には、採択時点での数字が使われる。着金率(実際に補助金を受け取れた割合)ではない。

採択された後にコンサルがフォローを薄めるパターンもある。「あとは事業者次第」と関与が減る。採択がゴールになっているコンサルは、この数字の作り方を取りやすい。

見抜くポイント

  • 「採択後の交付決定〜着金までのフォローは?」
  • 「過去に採択後に辞退・脱落した会社はある?」
  • 「着金率はどれくらい?」

採択率の数字を、何を見るべきか

ここまで5つのトリックを書いた。「99%は嘘」と言っているわけではない。数字には計算の幅があることを理解してほしい、ということ。

事業者がコンサル選びで本当に見るべき数字は:

  • 相談ベースの採択率(申請に進んだ割合×採択率)
  • 大型補助金(事業再構築・成長加速化)の採択経験
  • 着金率(採択後の脱落を含めた最終受領率)
  • 再申請の場合の追加コスト

これらを契約前に確認できるコンサルは、数字に誠実。「うちの採択率は99%です」とだけ言うコンサルには、上記4点を聞いてみてほしい。


TORUQでは「採択率の中身」を比較できる

TORUQに登録された認定コンサルは、プロフィールに累計実績件数・採択率(公開可否)・採択率の根拠を記載する仕組みになっている。

「数字の見せ方」ではなく、事業者にとって意味のある実績を比較できるよう、TORUQ運営が記載項目を統一している。複数コンサルを並べて、本当の実力を見極める材料になる。


※本記事は補助金コンサル業界の一般的な数字の作られ方について、現場の観察から整理したものです。特定のコンサルや事業者を批判する意図はありません。

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