「補助金ください」と厚労省に電話する経営者がいる
笑い話のようだが、実際にある。「補助金を申請したい」と厚生労働省に電話して、「それは経済産業省ですね」と言われるケース。
なぜこうなるかというと、補助金と助成金の違いを知らないからだ。
一番大きな違い:「審査」があるかないか
補助金(経産省系)は審査制。書類を出して、審査員に「この事業計画は優れている」と判断されなければもらえない。採択率は30〜60%。つまり半分以上が落ちる。
助成金(厚労省系)は要件制。決められた条件を満たしていれば、原則として全員もらえる。「審査で落ちる」ということが基本的にない。
この違いを知っているだけで、申請の戦略が完全に変わる。
5つの違いを一覧で
| 項目 | 補助金 | 助成金 |
|---|---|---|
| 管轄 | 経産省・中小企業庁 | 厚労省 |
| 審査 | あり(採択率30-60%) | なし(要件満たせば全員) |
| 対象 | 設備投資・DX・新事業 | 雇用・人材育成・働き方改革 |
| 申請時期 | 公募期間限定 | 通年(予算消化まで) |
| 計画書 | 事業計画書が必須(質が問われる) | 要件証明の書類(形式重視) |
「両方使う」が正解
補助金と助成金は併用できる。例えば:
- ものづくり補助金: (経産省)で新しい設備を導入
- 人材開発支援助成金: (厚労省)で従業員にその設備の操作研修を実施
設備投資と人材育成をセットで計画すれば、両方から資金を引ける。これを知っているかどうかで、投資の自己負担額が大きく変わる。
どちらから手をつけるべきか
迷ったら助成金から。理由は:
- 要件を満たせば確実にもらえる
- 採択/不採択のリスクがない
- 「補助金の採択実績」がない企業でも取れる
助成金で「公的資金を使った実績」を作ってから、補助金にチャレンジする。この順番が最も効率的。
よくある間違い
- 「補助金は返さなくていいの?」→ どちらも原則返済不要。融資とは違う
- 「助成金は少額でしょ?」→ 人材開発支援助成金は1人あたり数十万円。10人で数百万円になる
- 「補助金と助成金、どっちが得?」→ 比較するものではない。目的が違う
知らないと損をする。知っていれば両方取れる。