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現場の本音6分で読める公開: 2026-04-15

事業承継補助金で廃業を回避した3社の実話

後継者不在で廃業寸前だった町工場、地方の老舗旅館、個人病院。事業承継補助金とM&Aの組み合わせで命運をつないだ実話を匿名で公開。

株式会社LAST SOLUTIONS 代表取締役 · 補助金 累計採択実績 20億円以上

この記事のポイント

後継者不在で廃業寸前だった町工場、地方の老舗旅館、個人病院。事業承継補助金とM&Aの組み合わせで命運をつないだ実話を匿名で公開。

事業承継のイメージ
事業承継補助金の活用

「廃業届を出す寸前だった」3社に共通する、動き出しの遅さ

事業承継の相談を受けるとき、経営者から最初に出てくる言葉はだいたい同じだ。「もっと早く動いていれば」。

以下の3社は全て匿名だが、実際に支援に関わった案件をベースにしている。金額・業種・地域は特定されない範囲で記載。共通しているのは「補助金がなければ廃業していた」という事実。


ケース1: 従業員12名の金属加工業(中部地方)

状況

社長70歳。息子は東京のIT企業に就職しており、継ぐ意思なし。妻が経理を手伝っているが、社長が倒れたら会社は止まる。

取引先は大手自動車部品メーカー3社。技術力は高いが、設備は30年前のもの。社長の「腕」で品質を維持しているが、その技術の伝承ができていない。

従業員12名のうち、50代以上が8名。若手はここ5年で1人も採用できていない。

何をしたか

親族外承継を選択。地元の事業承継ネットワークを通じて、同業他社で工場長を務めていた40代の人材を後継者候補として紹介された。

ここで使ったのが事業承継・引継ぎ補助金の2つの枠:

用途補助額
経営革新枠承継後の新規設備導入(NC旋盤2台+3Dスキャナ)600万円
専門家活用枠M&A仲介手数料+デューデリジェンス費用400万円

結果

新社長就任後、NC旋盤の導入で手作業だった工程を自動化。3Dスキャナで社長の「腕」を数値データとして記録。技術伝承の問題を設備投資で解決した。

3年後、売上は前年比130%に回復。新規取引先も2社獲得。「社長が代わって設備が新しくなった」ことで、取引先からの信頼がむしろ上がった。

補助金がなければ、新社長に「1,000万円の設備投資を自費でやってくれ」とは言えなかった。補助金があったから、後継者が「よし、やろう」と決断できた。

ケース2: 創業90年の温泉旅館(東北地方)

状況

創業90年。客室数18室の老舗旅館。コロナで売上が1/3に激減し、2期連続赤字。

3代目社長(68歳)の長男は「旅館は継ぎたくない」と明言して上京済み。次男は既に別の事業を経営中。

老舗の暖簾を守りたい気持ちはあるが、借入金が8,000万円残っており、このまま営業を続けても返済が困難な状況。

何をしたか

M&Aで観光ファンドに譲渡する道を選んだ。旅館の「場所」と「暖簾」に価値を見出したファンドが、適正価格で買収。

用途補助額
専門家活用枠M&A仲介手数料+財務DD+法務DD500万円

M&A成立後、新オーナーのファンドが事業承継・引継ぎ補助金の経営革新枠を使って旅館をリニューアル。敷地内にグランピング施設を併設し、従来の温泉旅館客に加えてアウトドア層を取り込んだ。

結果

客室稼働率が38%→82%に劇的改善。従業員は全員継続雇用。3代目社長は顧問として月に数日だけ出勤し、若女将への接客指導を行う形で「暖簾」を守っている。

「売る」のは負けだと思っていた。でも実際は「守るための売却」だった。ファンドが入ったことで設備投資ができ、雇用も守れた。補助金がなければ仲介費用500万円が出せず、売却交渉すら始められなかった。

ケース3: 地域唯一の個人病院(中国地方)

状況

人口8,000人の町で唯一の病院。院長73歳。内科・小児科を1人で診療。看護師3名、事務1名。

院長の体力的限界が近づいているが、この地域に開業したい若い医師はいない。病院がなくなれば、住民は車で40分の隣市まで通院しなければならない。

自治体も危機感を持っており、「何とかならないか」と相談を受けた。

何をしたか

隣接市で3つのクリニックを運営する医療法人が、分院として承継する形でM&Aが成立。

用途補助額
廃業・再チャレンジ枠旧院舎の解体費用+医療機器の撤去150万円

旧院舎は築45年で耐震基準を満たしておらず、解体が必要だった。解体後、医療法人が自治体の支援を受けて新しい診療所を建設。

結果

地域医療は維持された。旧院長は週2日、非常勤として新しい診療所で診察を続けている。患者の引き継ぎもスムーズに行われた。

150万円の補助金は金額としては小さい。だが、この150万円がなければ旧院舎の解体費用が出せず、承継の話自体が頓挫していた。補助金は金額の大小ではなく「詰まりを解消する」道具。

3社から学ぶ教訓

1. 動き出しが遅すぎる

3社とも、「限界ギリギリ」になってから動き始めている。事業承継は「準備5年・実行2年」と言われる。後継者がいないと分かった時点でスタートすべき

2. 補助金は「背中を押す」道具

3社とも、補助金の金額自体が事業を救ったわけではない。補助金があることで「やろう」と決断できた。M&Aの仲介費用、設備投資、解体費用——これらのハードルを補助金が下げることで、承継の意思決定が前に進んだ。

3. 「売る=負け」ではない

温泉旅館のケースが象徴的だが、M&Aによる承継は「負け」ではなく「事業を守る手段」。補助金はこの意識転換を後押しする。


事業承継・引継ぎ補助金の概要

上限額対象
経営革新枠600万円〜800万円承継後の新事業・設備投資
専門家活用枠400万円〜600万円M&A仲介・DD・法務費用
廃業・再チャレンジ枠150万円廃業に伴う解体・原状回復費用

※金額・枠の詳細は年度ごとに変わるため、最新の公募要領を確認してください。

事業承継を検討している方は、まず補助金の専門家に相談してください。「承継するか廃業するか」の判断自体を、補助金の活用可能性を踏まえて一緒に考えることができます。

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